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本NPOでは、カビやアレルゲン対策にIPM(総合的有害生物管理)を導入しています。

IPMとは?

IPM(Integrated Pest Management、総合的有害生物管理)は、害虫や病原菌、カビ、アレルゲン物質の発生を管理するための、複数の手法を統合したアプローチです。目的は、薬剤に頼り過ぎることなく、安全で効果的に生物の管理を行い、環境や人への影響を最小限に抑えることです。

IPMは、農業、美術品、文化財、家庭、公共施設、医療機関など多様な場面で利用されており、持続可能で安全な生物管理を実現するための有力な手段として、世界中で採用されています。

|IPMの基本的な対策手法

生物的防除

カビやダニの増殖を抑える微生物や天敵など、自然の力を活かして制御する方法です。

耕種的防除

湿度や換気などの環境を整えて、カビやアレルゲンが発生しにくい状態にする方法です。

物理的防除

機械・器具・遮断材などを使って、カビやダニの侵入や発生・拡散を物理的に防ぎます。

化学的防除

人体や環境にやさしい薬剤を最小限、適切な方法とタイミングで使用する方法です。

IPMの4ステップ

本NPOでは、お客様の現場環境に合わせたIPMを実践し、
カビやアレルゲンの発生を最小限に抑えるための調査・管理・評価を行っています。

① 現場の調査

現地では、ご相談箇所やその周辺のカビの状況を丁寧に確認し、建材の種類や構造、湿気の影響などを把握します。必要に応じて採寸や素材内部の水分量の測定も行い、カビの原因や広がりのリスクを科学的に評価します。

ドキュメントにペンと指を向ける

② モニタリング調査

カビやダニ、害虫の発生状況を定期的に観察・記録し、現場の状態を正確に把握します。
捕獲トラップや空中の浮遊菌測定、表面のサンプリングなどを用いて、発生場所・時期・量を数値で可視化します。

→「どこで・いつ・どの程度発生しているか」を把握することが、的確な対策の第一歩です。

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③ 適切な対策の実施

湿度管理や清掃、物理的な遮断などの環境対策とあわせて、必要に応じて薬剤処理を行います。
使用は最小限にとどめ、効果が最大となるタイミングと量を見極めながら、安全管理にも十分に配慮します。

「効かせる薬を、最小限で、安全に使う」──それがIPMの基本です。

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④ 処理後のモニタリングと効果判定

対策を行った後も、再度モニタリングを実施し、処理の効果を客観的に検証します。
必要に応じて対策方法を見直し、得られた情報は今後の管理や予防に活かしていきます。

このサイクルを繰り返すことで、継続的で信頼性の高い安全管理が可能になります。

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IPMのメリットを紹介

ホール��ディングプラント

健康と環境へのやさしさ

IPMでは、薬剤の使用を必要最小限にとどめるため、化学物質による健康リスクを抑えられます。小さなお子様や化学物質過敏症の方にもやさしい選択です。

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​持続可能な効果と再発防止

定期的なモニタリングと評価を通じて、発生要因を見極め、根本からの改善を図るため、対策の効果が長続きします。繰り返しのトラブルも予防可能です。

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薬剤耐性の抑制

ひとつの手法に頼らず、多角的な対策を講じることで、薬剤への耐性を持つ菌や害虫の出現を防ぎ、長期的に有効な管理を実現します。

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コストパフォーマンスの向上

薬剤や作業のムダを省き、効率的に対策することで、管理コストの削減にもつながります。長期的に見て経済的なメリットが大きいのもIPMの魅力です。

経験豊富な専門家があなたをサポート

【事例紹介】

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医真菌症患者様のご自宅における環境調査

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美術館における環境調査とカビ・アレルゲン対策

配線ケーブルシロアリ穿孔被害 漏電事故多発.jpg

漏電事故の多発 - 調査で判明した配線ケーブルへのシロアリ穿孔被害

美術館の窓枠クロゴキブリ卵鞘.jpg

美術館窓枠でクロゴキブリ卵鞘を発見

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貴重な絵画作品にカビが発生 ― 文化財保全のための調査と対策

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紙文化財をむしばむカビ — 調査と対策の取り組み

ここでご紹介したのは、対応した事例のほんの一部です。
多様な現場での経験を活かして、カビやアレルゲンの問題に専門的に対応いたします。
まずはお気軽にご相談ください。

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ご不安な点がございましたら、お気軽に上記からご相談ください。

​IPMコラム

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総合的有害生物管理(IPM)について

〜カビ・害虫の有害生物管理にはIPMが不可欠〜
理事長 川上 裕司

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